洛タイ投書箱



バレへんかったらええやん!
2015年 10月 29日


◆…ちっちゃい時から読書は苦手だったが、中学生の時新聞に興味を抱き、よく読むようになった。おかげで42年間、人生の大半をローカル紙記者として充実した時間を過ごすことが出来た。ここ1週間ほど(10月15日〜21日)の新聞をチェックしてみた。実に、世界に冠たる三井住友グループが建てた、傾いたマンション記事のオンパレードだ。しかしよく見ると、同じ紙面には大企業や政治家、官僚がいかにモラルを捨て、金まみれになっているのか、その氷山の一角を垣間見せる記事が、びっくりするほど掲載されている。
◆…マンションを支える基礎の杭が最大2メートル固い岩盤に届いてなかった。しかも、届いているように書類を偽装していた。施工の旭化成建材は、当初「2本」と住民に説明していたが、行政がよく調べると「8本」に増えた。「安全より儲け」一連の経過から、そんな会社の体質が垣間見える。何しろ平居正仁副社長は20日の記者会見で、「10年間で3千棟を施工したが、傾いたのは1棟しかない」と胸を張った。この位の正々堂々とした姿勢がなければ、大企業の重役は務まらない。ご立派。
◆…15日付紙面でまたまた東洋ゴムが登場。ビルを支える「免震ゴム」のデータ改ざんで、すっかり名前が売れた同社。「免震偽造」の再発防止策を発表した直後、今度は「防振ゴム」の8万個に及ぶデータ改ざんが発覚した。内部告発によるものだが、「バレへんかったらええやん」という体質が丸見えだ。ちなみに同社は2007年にも防火用断熱パネルの性能偽装も行っており、年季が入っている。今回の偽装は、単なる通過点に過ぎないのかもしれない。旬の話題「マイナンバー」だが、業者から100万円(確実に判明しているだけ)をもらい、受注に便宜を図っていた厚労省の役人が、仕様書作成まで手伝っていたとの記事が同日付で掲載された。強きに優しく、弱きに冷たい官僚気質は健在だ。
◆…同じ紙面には、森山裕農相が、談合業者から700万円の献金を受けていたことが明らかになった一件で、全額返金したことと、地方自治体に支払うべき談合違約金36億円を、半額におまけした件でも関与していたと報じられた。19日には、日本歯科医師連盟(日歯連)が、お抱えの2国会議員に各1億円(年間限度額5千万円)を、う回という偽装テクニックを使い献金していた事件で、逮捕された3人の日歯連幹部が起訴される見通しであることが伝えられた。20日付記事には仰天、米普天間飛行場の辺野古移設計画で、環境監視のために国が設置した有識者委員会のメンバーが、移設工事の請負業者から多額の寄付を受けていた。翌日には関連してさらなる驚愕の事実、移設工事で30億円の受注工事を行って業者が、環境監視委員会の運営業務を2400万円で受注していた。つまり「監視される側と監視する側が同じ」という奇妙奇天烈な現象が白日の下に。
◆…わずか1週間で、これだけの「金まみれ事案」が紙面に躍った。もともと政治家や官僚、大企業にモラルを求めることに無理があるのかもしれない。元凶は、我々国民の意識にあるのだから。目の前の原発マネーに命を差し出す周辺住民、株高のおこぼれに群がる小金持ち、補助金や口利きの利益誘導で政治家を選ぶ有権者、無関心で選ぶことさえしない有権者がこのまま多数派を占める限り、日本は独裁者の意のままに「一億総玉砕」の時代に逆戻りしかねない。くわばら、くわばら。(城陽市・藤本博)

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