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2017年8月17日

TODAY NEWS

「会派運営費」控訴審破棄を
行政監視機構上告

最高裁判例と食い違いあり



 全国の地方議会で、「政務活動費」の不明朗な使途実態が明るみに出るなか京都府は、全国の自治体で唯一「政務活動費」に上乗せして「会派運営費」なる金を各議員に支給していた。「山田啓二京都府知事は2002年度〜06年度分の合計約2億3600万円を、府議会各会派に返還請求するように」と訴えていた城陽市のNPO法人「行政監視機構」(半田忠雄理事長)は、大阪高裁判決を受けて、15日までに最高裁判所に上告した。

 行政監視機構は、全国の市民オンブズマンと連携して10数年来、京都府議会や城陽市議会の「政務活動費」について、透明性や公正さを求めて、情報公開請求などの活動を展開してきた。そんな2007年夏頃、内部情報から「会派運営費」の存在を知った。
 調べていくと、毎月50万円の「政務活動費」に加えて、議員1人あたり9万円の「会派運営費」が支給されていた。地方公務員(議員は特別職公務員)の給料(報酬)は、条例に基づき支給するという給料条例主義に抵触しないようにとの配慮か、独自に要綱をつくり“補助金”という形で支給していたため、表面化しなかった。
 しかもその実態は極めてズサンなものだった。各会派は、1年分の支出をまとめて「運営実績報告書」として議長に提出するだけで、裏付けになる領収書類などの提出は不要。その報告書には、「人件費」「事務費」「慶弔費等」「会議費」などの各項目にそれぞれ金額を記入しているだけという実態が明るみに。
 機構はすぐさま07年12月、「議員報酬の二重、三重払いだ」として2億8692万円の返還を求めて京都府に監査請求を行った。監査委員は、請求額の12%にあたる3362万円が不当な支出にあたるとして、府議会各会派に返還請求を行うよう勧告したが、各会派は請求を待たずして自主的に返還した。しかし監視機構は、「会派運営費そのものが、公益性がなく違法だ」として08年3月、2億3681万円の返還を求めて京都地裁に提訴した。
 地裁は13年3月、「公益性の有無」は「地方公共団体の長の裁量」と会派運営費の合法性を認めた上で、「慶弔費」については、「会派の運営に不要」であり「公益性はない」として3164万円の返還を命じた。しかし控訴審(13年9月)では一転、大阪高裁は「地方自治体が地方議会の会派に対し、補助金を支給することは違法な公金の支出」として全額の返還を命じた。しかし上告審で最高裁は16年6月、「政務活動費以外に各会派に補助金を支出しても違法とは言えない」として、大阪高裁に裁判のやり直しを命じた。今年5月の差し戻し審(大阪高裁)は、「公益上必要な限度内」であれば、「会派運営費の支出は違法ではない」と断じた上、具体的な支出項目について検証。一審判決に400万円を上乗せして、自民党府議団に1200万円を支払うようにとの判決を下した。
 京都府は、訴訟を通して合法性を主張する一方で、「税金のつかみ取り体質」への批判が高まる中、13年度までに「会派運営費」を廃止し、もともと高額批判のある「政務活動費」に4万円を上乗せして54万円とするなど姑息な対応に終始した。
 行政監視機構は上告で、大阪高裁判決の破棄を求めているが、その理由を「上告理由書」及び「上告受理申立て理由書」を通して、「最高裁判決に反する判断がある」としている。控訴審では「政務調査費として計上することも会派運営費として計上することも可能」としているものの、最高裁は「会派運営費として支出できるのは、調査研究のため必要な経費以外の経費」と明確に区分しており、控訴審には「重大な誤りがある」と指摘している。しかも、控訴審判決の混同した解釈は「地方自治法に規定された給与条例主義に反する」と主張。「審理不尽、理由不備及び経験則違反がある」と控訴審の破棄を求めている。【藤本博】
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