記者席



何!何だと「乾いた雑巾」番外編
2018年2月11日


◆…かつて城陽市で、これほど市民の関心を集めた出来事があったろうか。1995(平成7)年11月、178億円の巨費を投じて建設された「文化パルク城陽」。借金返済の苦労があったものの、市民が集い、遊び、喜び、学び、感動できる施設として、生活に息づいてきた。今、多くの市民が怒りの声を上げている。文化パルク城陽の「セール&リースバック方式」に。
◆…議会を手玉にとり、「負担の平準化」だ「市民負担は増えない」(2017年12月1日付け広報じょうよう)などと市民をあざむいてまで2月1日、「NTTファイナンス株式会社」(本社東京都)との契約を強行した。契約は「城陽市が80億円で文化パルク城陽をNTTファイナンスに売却し、城陽市は賃貸料として年間4億円を25年間支払う」もの。しかし事実上は、「城陽市が80億円を借金して、年利1・69%でNTTファイナンスに25年間で100億円を返済する」ものであることは、市政に関心のある市民なら誰でも知っている。言わば、ぐうたら親父が、金策に行き詰まり、サラ金に手を出すようなもの。賛成した議員も知らない訳がない。なら何故手を上げたのか、「市長を守るため」だという。「城陽市を守る」発想はないのか。
◆…事は、単なる政策上の問題でないだけに重大だ。城陽市の違法行為が問われている。市が保有する財産は、学校などのように直接公の目的に使用される「行政財産」と、廃校になって処分されるなどの「普通財産」と2種類がある。行政財産は、地方自治法238条第1項で「貸付、売り払い、譲与」が禁じられている。しかも同条第6項では「第1項の規定に違反する行為は、これを無効とする」と明確に規定している。訴訟で違法と判断されれば、契約は無効となる。ところが城陽市は「普通財産を処分できないのは承知している、だから市長の権限で普通財産に切り替え売却する」(長谷川雅俊市長直轄組織次長)との理屈を立てる。その根拠は市の「規定」だという。
◆…曲がりなりにも(大学紛争で授業がほとんどなかった)大学の法学部に籍を置いていた身としては、「こらっ、ちょっと待て」と突っ込みを入れたくなる。日本国には最高法規の「憲法」があり、その下に各種「法律」があり、地方では「条例」を制定したり、条例の範囲で「規則」やさらにその下の「要綱」などがある。これらは明確に上下関係があり、憲法に違反した法律、法律に違反した条例は制定できない。しかし、現実にはちょこちょこ違反事例があり、「憲法違反だ」と法廷に持ち込まれることも少なからずある。しかし今回のケース、「国の法律」を自治体の単なる「規則」で破ることが出来るなら、それは画期的、革命的な出来事だ。
◆…そんな訳で昨年12月と今年1月に、城陽市内の市民と市民団体のグループが、城陽市の監査委員(川村和久・谷直樹)に対し「行政財産の売却は違法だ」とする監査請求を行っている。提出から60日以内に監査結果が出ることになっており、来週頃までには出てくる。ただ監査委員がこれまで、市の意向に反する結果を出した例を知らない。「課題がないとは言えないが、違法行為かどうかは判例もなく、専門機関での判断を仰ぐしかない」程度の結果が予想される。
◆…そうなれば、訴訟は確実だ。そもそも監査請求は、住民訴訟に進む道の関門なのだから。訴訟になれば、全国から注目を集める。そう言えばあった、32年前の1986年夏、市内の「芝ヶ原古墳」(国史跡)から、全国初の「突起付き銅釧」(重要文化財)が出土、「卑弥呼の墓か」と騒がれ、全ての全国紙の1面で一斉に報道され、テレビ局のヘリコプターが城陽の空を舞ったことがある。全国規模で注目されるなら、夢のある明るい話題にしてほしい。財政健全化でも行革でも、「市のことは市職員が一番知っている」などと外部からの目を拒絶する城陽市役所よ、どこへ行く。【藤本博】

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