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2017年 3月 21日
RAKUNAN TIMES

壁画に描く極楽往生
平等院ミュージアム
中品中生図(国宝)を復元模写
阿弥陀如来の来迎図 春季特別展で初公開



 世界遺産の平等院(宇治市宇治蓮華)で、鳳凰堂内部の壁・扉に阿弥陀如来による9通りの極楽浄土への「お迎え」の様子を描いた「九品来迎図(くほんらいこうず)」(国宝)の中から、「春のお迎え」を描いた「中品中生図」(ちゅうほんちゅうしょうず)の想定復元模写が平等院ミュージアム鳳翔館で18日から始まった春季特別展で初公開され、来館者の注目を集めている。

 鳳凰堂内部の壁・扉に描いた来迎図は、命尽きようとする臨終者のもとへ、たくさんの菩薩を引き連れた阿弥陀如来が飛来し、その命を浄土へ運ぶ「お迎え」の様子を表現している。
 生前の信仰心や善行に応じて上品(上生、中生、下生)〜下品(上生、中生、下生)まで9通りあるという「観無量寿経」の教えを絵に表し、本尊の阿弥陀如来坐像の周囲に描いた壁扉画(へきひが)として知られる。
 鳳凰堂の北壁面に描いた「中品中生図」(国宝)は幅42a前後のヒノキ板を8枚数並べたタテ約3・9b、ヨコ約3・4bの巨大な板壁画。
 鎌倉時代前期の作とされ、800年近い歳月で損傷が著しく、後世の落書きなどもあり、制作当時の絵の輝きは失われている。
 原本の4分の1の縮尺による「中品中生図」(タテ約2b、ヨコ約1・7b)の想定復元模写を手掛けたのは日本画家の荒木恵信さん(45)=金沢美術工芸大学准教授=。
 荒木さんは09年に西面扉に描いた国宝の「日想観図」(にっそうかんず)を復元模写した。
 今回の模写では本来の図様と色彩を探るため、鳳凰堂の昭和大修理の際に行った壁画の現状模写(タテ約3・3b、ヨコ約1・8b)から必要な情報を抽出。近年の科学調査で得た情報を反映させ、和紙に描いた。
 想定復元模写では遠景に海や雪が残る山を配し、つぼみから満開までバラエティーに富んだ桜の木々が春の訪れを感じさせる寝殿造の山荘に臨終者の男性が山々の間を縫って飛来する阿弥陀如来の一行を迎える姿を、青と緑を基調にした色鮮やかな色調で春の雰囲気を表現している。
 春季特別展では昭和修理の際に現状模写した「中品中生図」(奈良国立博物館所蔵)も里帰り展示(前期5月8日まで)している。
 制作した荒木さんは想定復元模写した「中品中生図」について「山並みの風景を大切にした大らかな雰囲気が伝わる作品。壁画として鳳凰堂内の高い所にあるにもかかわらず、細部にも手抜きのない壁画で、静かにたたずむ臨終者を迎えに来る阿弥陀如来の一行という静と動の対比や現実と非現実の対比などをぜひ鑑賞していただきたい」と話している。
 特別展は6月23日(金)まで。無休。午前9時〜午後5時。拝観料が必要。【岡本幸一】



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