ポリオ根絶ボランティア活動で垣間見た
最近のラオス事情
高橋内科医院院長 高橋 権也

第3回 給料が信じられないくらい安い不思議なラオス経済



教員養成大学の学生たち
 ラオスは社会主義国で、今ASEANの議長国です。今年の9月には、ビエンチャンで国際会議が開かれ、各国の首脳が集まり全世界で注目されました。私たちが泊まったホテルは5つ星で、先進国の一流ホテルに引けを取らない立派な設備でした。日本の皇太子や安倍首相の写真が飾ってありました。私たちがいつもボランティア活動で利用するホテルは、シャワーから水が出てくれれば大満足でしたので、びっくりしました。後から知ったのですが、このホテルの室料は2万円ぐらいでした。ラオス公務員の月給が2万円程度ですので1ヵ月分です。ラオスの労働者の月給はタイの半分で、ベトナムやミャンマーよりも低額です。とても信じられないラオスの経済ですが、もう少し詳しく見ていきましょう。
 ラオスの通貨はキープと言います。1円が80キープ程度ですので1万キープの商品は125円です。簡単にはキープから0を2つとって3割増しで計算します。町で売っている商品は、円に換算すれば安くてびっくりします。
 18年前に比べて、ビエンチャンでは車やバイクの数が増えています。ガソリンは1g8000キープで日本とほとんど同じ値段です。町を歩いている女性も子供も皆こざっぱりとした清潔な服装で、決して貧しい感じはしません。最近開店したショッピングモールでは金の装飾品がたくさん売られています。個人的にお聞きしますと、給料だけで生計を立てるのは不可能だそうです。80%の国民が農業で生計を立てている国ですから、田舎に帰れば豊かな農産物があります。田舎が潜在失業者の受け皿になっているようです。この構造は戦前の日本と同じです。
 ラオスに詳しい日本人にお聞きしますと、施しを功徳と位置つける仏教徒の国民性でしょうか、近所付き合いで野菜などの農作物が日常的にプレゼントされるそうです。また公務員は非常に安い家賃や光熱費で生活できるので、日本人の感覚で給料を考えるのは正確ではないようです。
 教育支援で学校教師を養成する大学(ビエンチャンの北50`に位置するバンクン教員養成短大)を訪問しました。学生たちに接しますと、にこやかでおとなしく、日本の学生とは雰囲気が全く違いました。この大学は遠くから通学する学生が多く、全校生の8割、850人が寄宿生です。
 この国は社会主義国ですので教員は全員が公務員になります。しかし苦労して教員になっても月給は5千円から1万円程度で、3年程度は仮採用です。さらに個人的にお聞きしますと、給料が毎月出るのは都会だけで、田舎では3ヵ月の遅配はあたりまえだそうです。そのため男性の職業としては人気がないといいます。
 
あとがき
 ラオス人は宝物の上に座っている人々と言われています。地下資源は豊富ですが、まだ全く開発されていません。今後大きく発展する可能性を秘めています。私たちが訪問したサイニャブリは象の生息地です。一昨年に4頭の象が京都動物園にプレゼントされました。京都大学とラオスの大学が共同で繁殖のための研究をしています。対日感情は大変友好的です。日本とラオスの関係は、今後ますます深まると期待されます。

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